2018/01/16 先入観が最大の敵 バドミントンとジャッジミス

メモに書き残しておきたい事はどんどん出てきているのですが、考えをまとめる時間をとれていません。取り急ぎお待たせしておりました質問への回答をさせていただきます。

Q.以前試合で審判をしているときに ある選手がヘアピンを打ったもののネットを越えずに落ちてくる状態で 前に突っ込んできた相手選手がタッチネットをしたケースがありました。 審判の私は打球が明らかに「ネットを越えていない」という点を見て ヘアピンを打った選手のフォルトを取り 相手選手のタッチネットを不問にしたのですが よく考えると、「ネットを越えない」の意味は「ネットを越えずに床に落ちる」という意味まで含めているのかなと思い ミスジャッジだったかなと思っている次第です。

バドミントン競技規則13条のフォルトの3項(2)の インプレーのシャトルが「両ポスト間のネットの上を越えなかったとき」についてですが、 自分の打ったシャトルがネット手前で落ちており そのシャトルが床に着く前に相手選手のラケットや衣服が触れた場合、 それが相手選手のフォルトになるのかという点です。 インプレーではない場合の定義である15条を見ても、2項だけみると落ちるまではインプレーにもみえるのですが 3項がでは「フォルトになったとき」はインプレーではない とあるのでで解釈が難しいところです。

A.状況をお聞きした感じではおそらく「ジャッジミス」であろうと感じます。シャトルが明らかに相手コートに飛んでいない場合であればネットタッチは不問でも良いように思いますが、相手もネットを越えてくるものと思いネットタッチをしています。つまり、インプレーと考えるのが妥当でしょう。審判と選手では見ている角度が違いますから、コートの横から見れば、明らかにネットを越えないとわかっていても、それが相手選手にははっきりとはわからない事も多いです。

また、ジャッジはあくまでもインプレーではなくなった段階で行うものですから、インプレー中に先入観をもってしまわないことが大切かと思います。焦らず一呼吸おいてジャッジで良いのです。

ジャッジミスをしてしまう一番の原因は、先入観です。プロの試合でさえもインアウトの判定がビデオ判定によって覆る事も多々あります。テレビで見ていても一見、「いやいやジャッジ通りだろ」と思っていても、スロービデオで見るとジャッジミスである事も実に多いです。 我々の目は、先入観に左右されたジャッジを行いやすいもの、この事をよくよく意識していく事が大切なのかなと思います。

最後に、審判のジャッジについてご自身のそれが正しかったのかどうかと検証をされている姿勢をとてもすばらしいものだと感じます。 正しさや理想は武器となり、そのルールに沿わない人を焼き払ってしまいかねない怖い面も持っているものです。

ジャッジミスで恩恵を受けた方は、あっさり「ラッキー」とだけで頭から消え去りますが、ジャッジミスをなされた人は、頭の中に「疑念」が生まれ数ラリーほど影響を及ぼしてしまいます。 自分の中の正しさと判定の違いによる心の葛藤。正しさや理想にとらわれすぎれば、最悪、その試合すべてに影響を受けてしまうことさえあります。

今、集中すべき事は何なのか?心の切り替え上手になっていきたいものですね。1つのジャッジミスが次のジャッジミスを産んでしまう要因とならないように。 昔読んだ「インナーゲーム」の書籍にもそんな事が書いてあったと思います。もう一度、私も読み返してみようと思います。

いつもご質問ありがとうございます。

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