2017/07/10 基礎打ちは基礎の一部でしかない バドミントンとショット名

先週末は若葉カップの壮行会が行われました。急な集まりであったのにも関わらず50名以上の参加となり、チームの結束を強く感じる事が出来ました。まだまだ男子若葉組の精神面はもろいのですが、こういった機会に触れることによって、徐々に徐々に代表という立場を意識してくれるのかなと思います。

若葉カップが終われば、ABC、そして関東予選と立て続けに重要な試合がやってきます。暑さも加わり疲労度MAXのシーズンに突入です。夏休みに入るとあって小学生は油断しがちな季節ですが、みんながみんな怪我のないように、元気一杯頑張れたらなと思います。私も腰を大事にしつつ応援、サポートをがんばります。

さて、今日は、若葉組ではなく、不器用な中学女子のバドミントン中における頭の中が少しだけわかってきたので、こんな子も多いのかと思ったことをメモしておきます。 試合をしてはミスばかり、アウトにネットに空振りと、空回りし続ける中学女子。先日も私とダブルスを組む機会がありました。ミスだらけで勝手に自爆して失点を重ね。私も何も出来ないまま1セットを6年女子ペアに奪われてしまいました。

コートチェンジの合間に、彼女にあれこれ言っても混乱させるなと思い「スマッシュとかドロップとかヘアピンとか考えなくて良いから、打つコースだけ考えて打ってごらん。右か左か真ん中か。それ以外は考えなくて良いよ。」と。

そして始まった第二セット。なんと彼女のミスが激減しました。「あれ?これだけの事?」と私も少しびっくりしました。まだまだミスはあるものの、自爆のミスは激減しました。2セット目はラリーが続くので私の出番も出てくる流れになりましたので、普通にセットを奪う事が出来ました。

ファイナルセットのコートチェンジの際に、「もしかして、スマッシュ打つ時、スマッシュを打とうと考えてる?ヘアピンの時もヘアピン打つとか、レシーブする時にレシーブとか」「はい。」「じゃ、今のセットは?」「右とか左とかそれだけ考えました」「どっちが良いプレーできた?」「えっ?今ですかね?」 「じゃ、最後のセットも同じように、右とか左とか真ん中とか、それだけ考えてやってごらん」と伝えてみると、最後のセットも自爆ミスが激減したまま6年女子ペアにサクッと勝ててしまいました。

試合が終わりアドバイスを聞きに来たので、「試合中に行ったことがすべてだよ」「これはスマッシュとかここはプッシュとか、レシーブだ!とか考えて打つからミスになるんだよ。」「スマッシュの美しさを競うゲームでもないし、スマッシュで決まったら3点とかそういうゲームでも無いんだよ」

「打った球にスピードや角度があるものがスマッシュと呼ばれるショットになるだけだし、ふわっとネット前に落としたら、傍から見たらそれがドロップと言われるだけ。ネット前でネット前に落とせばそれがヘアピンというショットに周りは思うだけ」

「左右のコース選択、前後のコース選択、スピード、角度、これの組合せの結果が、大きく分類され呼ばれているショット名なんだよ。」「基礎打ちとかで、スマッシュの練習をするかもしれないけど、スピードと角度がそれっぽいものを打つ練習なんだよ」「スマッシュの練習をすると試合じゃ使えないんだ。毎度毎度、基礎打ちの時とは状況が違うからね」

「頭で考えているショットのイメージが固まりすぎて、それが試合の複雑な状況の中で、イメージとのギャップからミスを産んでるんだよ」「実際、余計なこと考えなかったら良いラリー出来たでしょ。」

彼女には彼女のショットに対する固定化されるぎたショットイメージがあり、それを実現しようと試合の中で、状況が整っていない中で実現しようと苦悩していたのです。スマッシュはこう打つ、ヘアピンはこう、レシーブはこうと。。頭先行で打とうとし体がそれに間に合わない。それがミスの原因だったのです。

なかなかこのイメージの克服は、彼女の性格上難しいのかなとも思いますが、体験はしてもらったので、徐々に変化が見えてくるのかなと思います。何せ彼女は頭が固いので、3か月くらいかかってしまいそうな感じもします。全部負けても気にしない課題を克服する練習だと割り切って取り組んでもらえたら良いのですが、負けはじめると途中でまた元に戻してしまう彼女がいるのが厄介なんです。

実際、昨日のシングルスを見ていたら・・・案の定、展開が苦しくなると余計なことをまた考えているようでした。うちの三男坊もそうですが、自爆して負ける子達は、頭を使いすぎているのだと思います。純粋にシャトルを相手コートに打ち返す。これが欠けているように感じます。

スマッシュとかヘアピンとかロブとか考えずに、シャトルをどこにどんな軌道で返せば、点がとれそうかだけをまずは考えて欲しいなと思います。基礎打ちは決してバドミントンの基礎ではないのです。ほんの代表的な状況下の練習で、バドミントンの一部分でしかないのです。名の無いショット、分類出来ないショットの練習を忘れてはいけません。

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