2017/06/14 勝ちきるトレーニング バドミントンと将棋

勝てる試合で勝ちきれない。昨日のサッカーW杯をみていて、またかと思った人は多いのではないでしょうか?先日の町田オープンでセットポイントをとりながらもセットを落とした6年女子二人と、4年男子で決勝で負けた子などの光景が浮かんできました。

将棋の世界では、とことん勝ちきる練習を行います。詰将棋というものです。ある盤面に駒が置かれた状態で、相手のあらゆる防衛を想定しながらも、最短の詰め手順を考え続けます。定跡を覚える事。詰将棋を説き続ける事。この二つが将棋力を向上させる第一歩と言われています。

サッカーでもバドミントンでも定跡に対する練習は、どこのチームもしっかりやっているとは思うのですが、この詰将棋にあたる部分をどれだけ意識できているのか?ここに疑問が残ります。

昨日のサッカーでは、失点部分が大きくクローズアップされてしまっていますが、その前に、点数をとれるチャンスを不意にしてきた事が一番の問題だと思うのです。得点力不足とか前々から課題になっているのに、詰めを鍛える訓練がなされていない。頭のトレーニング不足です。

失点を減らすには定跡の徹底と、その精度アップが必要であり、点を取るには詰めの強化が必須なわけです。勝ちきるにはある条件下では無敵になれる。これが必要なのです。「絶対に負けられない戦いがある」などとテレビでは煽っていましたが、「勝つ戦いをしろ」と思ってしまいます。

ここに打つとこうなる。だから相手は必死でここで防衛する。だからそこに向けてこの準備をして、これでさらに追い込む。崩れたならここにきてEndだけど、さらに相手が防衛するならここに来る、でもそれならこれで終わり。いろんな分岐を考えながらも、最後の最後まで想定内の事として詰ませていく。

ジュニアのバドミントンであれば3、4ラリー分の詰めバドミントンをひたすら解けば良いでしょう。決めきるパターンの練習です。相手のラウンド奥が「歩」の場合、相手のラウンド奥が「金」、相手のラウンド奥が「飛車」の場合はこうする。相手のフォア奥が「香車」の場合、相手のフォア奥が「桂馬」の場合、相手のフォア奥が「角」の場合はこうする。

同じ場所でも相手の状況によって、詰め方も変わる。こういったトレーニングを積んでいくことで、詰将棋のように勝ちきれるようになれるわけです。想定外の返球がきたときは、相手を褒め、「それもあるんだ。これもパターンにいれとこ」と失点しても良い意味で成長へとつながります。

小難しいことを言っているように思われるかもしれませんが、自然と上級者はやれている事です。経験という言葉で隠してしまっているだけです。経験で得た部分なので本人にとっても貴重なものです。だから相手には教えたくない部分ですから、なかなか表に出てきません。パターン練習として、その一部分だけを伝えている感じです。

子供たちには勝ちきって欲しいなら、勝ちきるトレーニング、詰将棋にあたる部分をしっかり伝えてあげることが大切だと思います。「ここに来たらスマッシュ!」で終わらせず「ここに来い。無敵の詰将棋をお見舞いしてあげるぜ!」でワンランクアップです。

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