2017/05/09 自己責任を学ぶ時期 バドミントンと中学部活

最近、ジュニアから巣立った中学生たちが小学生の練習にポツリポツリと顔を出してくれています。戻って来たくなる場所にしっかりなっているんだなとうれしく感じます。 しかしながら、バドミントンの技術レベルで考えると、残念ながら伸びるどころか停滞している子が多く、中学での部活での過ごし方に迷いがあるように感じます。

今日は、同じように今年の春から中学生となり、うちの卒業生同様、悩みを抱えているジュニア出身の保護者の方からの相談がありましたので、それをメモしておきたいと思います。

Q.ジュニアの頃と同じ練習頻度(週5)でいるものの、最近プレーが緩慢になりがちで自滅ミスも増え困っています。理由としては、部員40人超で年功序列なので基本コートに入ることや試合に出る機会が制限される(都大会は最後の試合になるから3年が出ることが入部前に決定済み)。 技術で優位に立っても先輩にフィジカルで負ける。(そもそもうちの子の技術自体がまだまだなのですが) 。勉強や人間関係など他に集中することが増えた。最近はジュニアの練習に行っても小学生女子に負けたと妻から聞くにつけ(彼女たちもうまくなっているのは分かるのですが)、 これで大丈夫なのか?と思ってしまいます。本人も負けたことに触れられるとすぐそっぽを向くので話もできず、負けが次につながるような気配もありません。 何か本人たちにピリッとした刺激を与える方法はないものでしょうか?

A.うちのジュニアの中学生たちの中にも同じような子が幾人かおります。私も刺激を与えようと、次のようなアドバイスをしてみました。

「ジュニアで練習したくても出来なかった事が、部活なら出来るんだよ。」「勝ち負けを意識せず、純粋にバドミントン技能を時間をかけて丁寧に再確認できるのが部活。」 「小学生の頃は、コーチに言われた一言を、習得する時間がジュニアの頃にはそれほど多く取れなかったでしょ。今だからこそ一つ一つやれるんだけどね。」

「中学の部活に、個人スポーツは存在せず、すべてが団体スポーツ。自分が見本となり、仲間を強くする。仲間のために技術やメンタルを磨く。よい見本になる事だけ考えてごらん。」 「体は勝手に成長するから、これだけで一気に上達できるんだよ。」「うまい子も下手な子もいろいろいるのが部活。ひとりひとりのプレーををよくよく見てごらん。ヒントが沢山みつかるから」

それでも変われない子は変われません。外からの刺激などではなく、内から出る向上心の欠如が問題なのだと思います。

中学生の場合は特に、惰性でバドミントンを続けているだけの子と、バドミントンが好きで上手くなりたくて練習している子の差が明確になる時期です。 ジュニア出身の子であれば、強くなりたければ必要な努力の方法も知っています。自分で練習をしたいと言えば、練習が出来る環境も知っているはずです。さらにはアドバイスをもらえる人も知っているはずです。

親としては、ジュニア時期のようにもっと積極的に練習をして欲しいと願うのでしょうが、中学生は大人扱いをしてあげないと、逆の行動をとるヘンテコな生き物です。

たとえ不甲斐なくとも子供に任せてあげて下さい。親が出来る事は、後押し支援する事だけです。ひっぱりあげられるのは小学生までです。環境も状況も変わったのです。親は親で自分のやりたい事を楽しんで下さい。

子供が変われないのは、親が変われないからだけということも実に多いのです。子供が笑顔でそこにいる事、これを大切にしてあげて下さい。自然と前向きな姿勢を取り戻し、努力をこっそり始めだします。

うちの中2の長男坊も放置してあげるようになってから、随分と自分で考え判断できるようになってきました。何が必要なのかを自分の口から言わないと何もしてあげません。頼まれたら相談にものるし支援もする。この形に変えてから母親との親子喧嘩もほぼ無くなり、笑顔もみせるようになってきました。

母親に私からお願いした事はただ一つ。「大人として扱ってあげて」です。「良いのあれで?」「全然やらないんだけど」と不満に思う事はまだまだあるようですが、失敗は体感させないとわからないものです。 親のせいにするな。環境のせいにするな。すべては自己責任。これを実感させてあげる事が大切だと思います。そして失敗からの立ち直り、これが子供自身が自分で成長する原動力になります。

自分から変わろうとなるその時まで、その姿を見守ってあげて下さい。立ち直るための支援をしっかりサポートしてあげて下さい。

うちの中学生達も早く、ジュニアを精神的に卒業して欲しいものです。まだまだ親やコーチに頼ってばかりの中学生が多いのです。自分から努力できる大人になって欲しいものです。

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